もう一つのシンデレラストーリー

第一場

   幕が上がるが、舞台上は暗い。舞台は図書室。箒を持ったり雑巾を持ったりして掃除をしている様子の数人の生徒が舞台上にいる。しかし、それらの生徒は、全く動かない。
舞台上に分厚い本がある。そこにスポットライトが当たる。魔法使いが現れ話し出す。

魔法使い「皆さんは、シンデレラの物語を知っておいでかな?継母と義姉達にこき使われていた哀れな娘が、魔法使いのおかげで、王子様と結ばれてめでたし、めでたしという物語じゃ。もちろん、ご存知じゃろう?じゃが、この話にはもう一つ別の物語があったのじゃ。おや?そろそろ揉め事が始まりそうじゃのう。」

   王様、続いて王子、大臣が登場する。

王様「早く結婚相手を見つけよ!それが王子としての、そなたのつとめじゃ!」

大臣「そうですとも。陛下私に良い考えがございます。舞踏会を開くのです。今風に言えば、ダンスパーティーと申すそうですぞ。そして、国中に招待状を送りましょう。殿下の心を射止める美女が必ずや、必ずや、見つかりましょう。」

王様「おお、それは良い考えだ!」

王子「冗談じゃない!ぼくは、そんなダンスパーティーはごめんだ!目的がみえみえじゃないか。それに集まってくる娘達を、結婚相手に選ぶなんて考えられない。」

   王子、さっさと下手に退場。

大臣「お・・・お待ちください!」

   王様と大臣は王子を追いかけて退場。照明が消える。
継母が登場して、招待状を持ちながら、後ろについてくる娘たちに話し掛ける。

継母「まぁ、ダンスパーティーが開かれるんですって!あなた達、王子様の気を引けるように、たくさんの宝石と綺麗なドレスを身に着けなさい。」

義姉1・2は目を輝かせる。

義姉1・2「は〜い」
継母「あんたも来る?」

シンデレラ「いいえ。(強い調子で)その日は大事な用事があるの。鶏の卵を集めて、ぶどう畑の世話をして、家中の掃除も済ませたいの。」

義姉1「まぁ、こんなチャンスめったにないのよ。」

シンデレラ「(ボソッと)そんなパーティーなんてごめんよ。」

義姉2「えっ?」

シンデレラ「好きでやってることよ。気にしないで!」

継母「変わった子ね。」

    継母と義姉1・2は、上手へ退場。

シンデレラ「ばかみたい!楽して幸せになろうなんて、そんなの本当の幸せじゃない。あぁ、自分の目でもっと大きな世界を見てみたい!」


第二場

   カットイン
全ての照明がつき、図書室の生徒が動き出す。ほとんどの生徒がおしゃべりをしたり、ふざけて遊んだりしている。その中で、ようことたかしだけが黙々と掃除をしている。数人が上手近くの机に集まり話をしている。

生徒1「そうそう、この前の実力どうだった?」

生徒2「聞かないでくれぇ。あ〜あ、成績が上がる方法ないかなぁ?」

生徒3「ほんとだよ。俺なんか親にさ《公立落ちたらやる所ないぞ!》って毎日言われてる。」

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