異聞・たぶんかぐや姫 (50分)
–She loves MOONWALK! –
爺  えっさ、ほいさ! えっさ、ほいさ!

    竹を切っている翁。

語  今は昔、竹取の翁がおりました。翁っていうのはお爺さんの事だよ。そのお爺
   さんがお婆さんと暮らしていて、切った竹から色々な物を作る仕事をしていま
   した。お爺さんがいつもの様に竹を切っていると、光り輝く竹を見付けました。

    黒子が懐中電灯を色んな角度から竹に当てている。

爺  おぉ、これは…。
語  不思議に思ったお爺さんは、その竹を切ってみる事にしました。

    翁、竹を切る。

爺  えっさ、ほいさ!

    中からかぐや姫1が出てくる。

語  なんと竹の中には小さな小さな女の子が入っていました。
爺  こんな所に一人でいたら寂しいだろう。ウチに来るかい?
輝1 はい。
語  お爺さんは女の子を連れて帰りました。「輝く姫」という意味でかぐや姫と名
   付けて、お婆さんとそれはそれは大事に育てたそうです。それからというもの、
   お爺さんが竹を切りに行くと中から金が出てくる様になりました。お陰で三人
   の生活は豊かになっていきました。かぐや姫はもの凄い速さでドンドン育って、
   三ヵ月後には年頃の娘にまで育ちました。
輝2 嵐、超格好良い!
語  その頃で年頃って言うと十五歳くらいです。
爺  いやぁ、初めはあんなに小さかったのになぁ。
婆  最近の子は育ちが良いと言うじゃない。
爺  それにしても早くないかい?
婆  三ヶ月といったら普通はまだまだ会話も出来ないくらい。私はこの子が話し相
   手になってくれるのが嬉しいのです。今までは貴方が竹を切りに言っている間
   は留守番をしているしかなかったのですから。
爺  そうか。それなら、いいか。
婆  それにしても元気に育ってくれて良かったわ。お爺さん、かぐやの為にお祝い
   をしてはどうかしら。
爺  そうだなぁ。金がたくさん見付かったが、流石にわしらだけでは使い切れない。
   ご近所の皆さんを呼んで食事会でもしようか。
婆  そうね。それがいいわ。立派に育った姿をみなさんにも見て頂きましょう。
輝2 はい。
語  こうして、かぐや姫の為のパーティが開かれる事になりました。それまでお爺
   さんとお婆さんはかぐや姫を他の人に見せない様にしながら大事に育てていた
   ので、かぐや姫がどんな姿をしているのかみんなとても気になっていたのです。
   村中の人々だけでなく、遠く都から来る人もいました。
爺  いやぁ、大勢集まったなぁ。
婆  みなさん、お名前は何とおっしゃるのですか?
た  田吾作だぁ。
は  はちべえだぁ。
ご  ごんざえもんだぁ。
マ  マイケルダヨ! アオッ!
野  貧乏人は黙っていなさい。野口です。
樋  樋口です。
諭  諭吉です。
マ  マイケルはお金持ちだよ!
樋  おや、野口。私は貴方の五倍のお金を持っています。
野  あぁ、負けた!
諭  でも、樋口。私は貴方の二倍のお金を持っています。
樋  あぁ、負けた!
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