4・リマインド
「4・リマインド」

脚本 橋口征司



登場人物

伊佐キヨシ 彼女が死んで生きる気力を無くしている青年。
梅園トモミ キヨシの幼なじみ。素直になれないアネゴ系。
綾重萬独斎 怪しい霊媒師。インドの秘薬を持っているらしい。
花畠晴海  由加の魂が乗り移ったヤクザの幹部。別名「若宮龍一」。
刑事1   若い刑事。
刑事2   刑事1の上司。

※由加   死んだキヨシの彼女。花畠に乗り移り中(登場するかどうかは演出次第)。


※リマインドとは「Re:Mind」と書き、4人それぞれの心への返信を
 意味する作者の造語です。
 4は「4人」の「four」と、「〜に向かって」の「for」をかけてます。

※登場人物全員が男性バージョンをご希望の場合は、作者にご連絡ください。
 (上演が決まった団体のみお送りさせていただきます。)


   ☆



【1―1】

  幕の前に花畠が現れる。客を煽るようなアドリブがあっても可。

花畠  弥生の姐さんの仇、ワシがきっちりケジメぇ付けてきます。まあ、
    巻き添えになったあの女には悪いことしましたがね。ただ・・・いえね、
    あの日以来どうも調子悪くて。時々記憶が飛んじまうんスよ。

  花畠が退場しながら幕が開く。舞台はキヨシの狭い部屋。上手に出入り口がある。
  萬独斎が怪しい儀式をしており、キヨシとトモミがやや離れた所で正座している。

キヨシ いい加減やめないか?
トモミ 何で?
キヨシ だから・・・本当にちゃんとしたイタコなのかよ?
トモミ 信じないなら最初から頼まなきゃいいのに。
キヨシ そう言う訳じゃないけど・・・何かさ・・・

  奇声を発しながら変な動きをしている萬独斎。二人の視線に気付く。

萬独斎 来ましたあぁ〜〜〜っっ!(脱力してうなだれる)
キヨシ 今度こそ大丈夫?もう4回目ですよ?
トモミ とりあえず聞いてみたら。
キヨシ ・・・由加?
萬独斎 (裏声または女声で)ええ。
キヨシ 本当に?
萬独斎 本当よ。久しぶり。元気だった?
キヨシ まあ・・・ね。そう言う由加はどうなんだよ?
萬独斎 私は元気よ。
トモミ 死んでるのに元気なの?
萬独斎 あの世で元気ってことよ。邪魔しないでくれる?
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