君の世界、彼の世界
タイトル:君の世界、彼の世界

☆登場人物☆
僕:高校1年生。メガネをかけている。どちらかというと文系。趣味は読書。友達は少ないほうだが、特にそれにたいして悲観的ではない。
私:高校1年生。視力はいい。運動神経はほどほどにいいが、特に部活には所属していない。男女ともに分け隔てなく接する。
先生:担任の先生。


以下、台本。

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【教室の場面がくるまで二人の会話はモノローグ】

僕「僕はメガネをかけている」

私「彼はメガネをかけている」

僕「僕の視力は両目ともに、0.03」

私「彼の視力は聞くところによると結構わるいらしい」

僕「僕の世界は黒く縁どられて、たまに指紋がつくと視界がぼやけてしまう」

私「私の目はかなりよくって、彼の見えている世界なんて想像できない」

僕「突然の雨、空を見上げると雨粒がついて、メガネをはずす。拭いても拭いても、雨粒は細かくなるだけで、元の視界は取り戻せない」

私「突然の雨、空を見上げると雨粒が頬をつたって、涙のように流れ落ちる」

僕「メガネをはずした僕は、メガネをつけた僕と顔つきが違っていると思ってる。いや、そう思いたい」

私「メガネをはずした彼は、ちょっとなんだか物足りない。私から見ればメガネがあって彼があるみたいな感じでなんだか不思議」

僕「メガネをはずすと何も見えない。すべて、滲んだように物の輪郭があいまいになる」

私「わたしの知らない世界を彼は知っている。すべてが滲んだように物の輪郭があいまいになった世界を見てみたい」

僕「信号や看板のライトは、花火のようになって、時々綺麗だなって思う時がある」

私「目をわざと薄めてみても、度のきついメガネを付けてみても、彼の見える世界は見えない」

僕「視力がよかったら、見える世界はどう映るんだろう」

私「視力がわるかったら、見えない何かが見えるのかなぁ」

僕「視力が悪い僕には、もっと見えないものがある」

私「視力が良い私でも、まったく見えないものがある」

僕「それは君の」

私「それは彼の」

僕「こころ」

私「こころ」

僕「僕がよく目を凝らしても、メガネをかけても、なんにも見えない」

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