象徴探し


象徴探し


杉村 稔(すぎむら みのる・男)…探偵事務所に来た依頼人。幼い頃からある悩みを抱えている。

浦田 尚斗(うらた なおと・男)…探偵。

行本 拓也(ゆきもと たくや・男)…探偵。

三戸 明実(みと あけみ・女)…探偵事務所の社長。

象徴(女)…稔が探している人物。顔に仮面をつけている。


舞台は、とある探偵事務所。舞台中央にいくつか机と椅子が置いてあり、尚斗と拓也は向き合うように座っている。
二人は仕事中。

全体照明

尚斗:あの、拓也さん。

拓也:どうした? 頼み事なら先に断らせてもらうけど。

尚斗:えぇー、手伝ってくださいよ。

拓也:この前、尚斗の分まで手伝っていたら俺の時間が減ったんだ。だから、今回くらいは自分の力でやろうな。

尚斗:後輩が困っていたら、助けるのが先輩じゃありませんか?

拓也:本当に困っていたら助けるけど、生憎こっちも忙しいし。
   助けてばかりで何も出来ないままの方が怖いだろ。

尚斗:忙しいといっても、拓也さんは賢くて要領がいいので仕事なんかすぐに終わりますよ。
   そうしたら、俺の仕事をやりましょう!

拓也:何回も言うけど、自分の力で頑張ろうな。

尚斗:頼み方が悪かったですか? なら、一緒に頑張りましょう!

拓也:あー、はいはい。気が向いたら手伝う。

尚斗:本当ですか!? なら、期待していますね。

拓也:その前に仕事が終わることを祈る。

尚斗:探偵って、もっと楽しい感じだと思っていたんですけど事務作業も多くて大変ですね。
   つまらないことが多いと心が折れそうになる。

拓也:イメージと違う部分が出てくるのは分かるが、出来ないことの言い訳にするな。

明実、登場。

明実:尚斗。また、拓也に仕事をやってもらっているのか?

尚斗:これから手伝ってもらうところです。分からないことが多すぎて。

拓也:違いますよ、社長。手伝いを通り越して全部をやらせようとしています。

1/16

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム