ワタシのおままごと
.ワタシのおままごと 最終稿
ワタシのおままごと
最終稿
令和3年11月1日
作 山上祐輝
.�@ペルソナ前説
�@ペルソナの前説
後ろには少し上がって3つ椅子が並んでいる。
かみしもの両方には、椅子が2つずつ。
その前に、中央に椅子が5つ。
下袖前の4つの椅子には本が置いてある。
そして、中央にも椅子が二つ。
・・・・・・・・・・
真ん中に、少女が立っている。
その手には、本が一つ。
板付き 少女、本を開く。
少女「私たちの住む世界は、まるでおままごとみたいだ。皆が仮面のワタシと役割を演じていて、そうやって世界が回る。私にとっては本当のワタシの物語でも、誰かから見れば、架空の物語と変わらない。始まりから終わりまで、人はそれぞれ、物語を綴ったワタシを演じている。おままごとでつづられる、ワタシの物語を。私の物語。ワタシ。ワタシ。」
少女、本から顔を上げて、自分の顔に触れる。
少女「普通のワタシ。笑ったワタシ。怒ったワタシ。泣いたワタシ。思春期のワタシにも、色々とある。」
少女、客席を手で示す。
少女「作られたワタシの物語が重なり合って、この世界はできている。世界はきっと、壮大なおままごと。壮大なヒーローごっこ。思い思いのワタシをかぶって、それぞれの思い描く物語を演じている。そう、おままごとでできたリアルを。」
少女、本を閉じる。
少女「今、私は舞台に立っている。空っぽのワタシは、別のワタシをまとい、照明に照らされて、舞台の上でお芝居というおままごとを始める。なぜ?私は、沢山のワタシから、本当の、私を探したいから。だからワタシは沢山のワタシの仮面をかぶり、世界を、物語をはじめる。ワタシから始まる、私の物語のおままごと。」
少女、本が置いてある椅子をめぐる。
少女「まず私は、別の本を探し始める。別の誰かのワタシ、別のワタシの物語。架空の、誰かの、ワタシの物語。その本を私が読むとき、それはその一瞬だけ、ワタシは別のワタシになる。ワタシの世界の物語に変わる。ここにあるのは4つのワタシの物語。さあ、おままごとをはじめよう。・・・本当のワタシを始めるために。」
少女、本を中央の空いている椅子に置く。
そして、別の本のところへ歩いていく。
.�A幽霊に育てられた少女
�A幽霊に育てられた少女/(10分)
少女、一冊の本を手に取り、表紙のタイトルを確認する。
少女「幽霊に育てられた少女」
少女、中央に立ち、本を開く。
本の文章を読む。
少女「私は、優子。幽霊が見えたりするだけの、どこにでもいる、普通の元気な15歳!今は幽霊のパパと、幽霊のママと、3人で賑やかに家族で平和に毎日を過ごしてます!最近の楽しみは、ホラー映画を見ること!」
少女、タイトルを少し見直す。
少女「ホラーかと思ってたのに、なんか違う・・・。えーっと、続き。」
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