倦ず、日々
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『倦ず、日々』
前章『暮らし倦(あぐ)ねる』
登場人物
桐谷七瀬(きりたにななせ)
飯野満流(いいのみちる)
吉野奏心(よしのかなと)
[照]明転
無機質な部屋。七瀬と満流が何やらパソコンで作業をしている。(パソコンでなくてもいいけど、都合、最低1台はあると嬉しい。)
七瀬 「飯野捜査官、進捗どう?」
満流 「ぜーんぜん。もう帰って寝たい。寿司食べたい。焼肉でもいい。ゆっくり風呂につかりながら溜まってるドラマ消化したい。」
七瀬 「欲出すぎ。」
満流 「だってさぁ、ここんとこ忙しいんだもん。昨日だって家帰ったの11時。23時よ。」
七瀬 「しばらくは仕方ないでしょ。てかみち……飯野捜査官、頼まれてたやつ、今日までじゃないの。」
満流 「あ、今満流って言いかけた。」
七瀬 「言ってない。」
満流 「いつまで続けんのそれ。」
七瀬 「だって、『飯野捜査官』の方がかっこいいし、なんかやる気出るじゃん。」
満流 「単純だわ。」
七瀬 「うるさい。で、例の、」
満流 「それはできたよ、さっき本部にデータ送った。」
七瀬 「ご苦労様。」
満流 「でもさ、こんな必死でやったけど、返信来るのどうせ明日の昼だよ。」
七瀬 「そうだね、本部のお偉いさんたちはもうあったかハイムに帰っただろうし。」
満流 「それ、懐かしいね。そのCMまだやってんのかな。」
七瀬 「え、もしかして歳バレちゃう?」
満流 「コーヒー淹れるけど、七瀬も飲む?」
七瀬 「七瀬じゃなくて。」
満流 「はいはい、桐谷捜査官ね。」
七瀬 「よろしい。」
満流 「で、七瀬も飲む?」
七瀬 「ちょっと!」
満流 「いらないのね。」
七瀬 「飲む!」
満流、ハケる。
七瀬 「砂糖2本ね、牛乳も入れて!」
満流(声)「どんくらい?」
七瀬 「2センチくらい!」
満流(声)「了解!」
[音]電話の音(スマホでも可)
七瀬、電話に出る。(インカムっぽいのでも可。)
七瀬 「はい、こちら第四支部、桐谷です。……なんだ、三村さんか。……はい、はい。……え?あ、うん……それ、私たちの仕事じゃなくないですか?……すいません、ここんとこ残業続きで。……上層部、何考えてるんですかね、頭おかしいんじゃ……すいません。……いや、満流もいますよ、今コーヒー淹れに行ってくれてるけど。……はい、分かりました。……春木?……あ、春木じゃなくて、卯月の方に?……うん、うん。……じゃあとりあえず、それチェックしつつ、連絡待てばいいんですね。……てか、三村さんも残業?……あ、夜勤。てかもう夜勤の時間ですか、なんか心折れた……はーい、ではまた後で。」
七瀬、電話を切ってパソコンを確認する。
七瀬 「これか、とりあえずダウンロード……」
満流、戻ってくる。
満流 「電話だった?」
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