クリスマス
~サンタの野望~
サンタ
トナカイ
子供


サンタ「12月23日。世界中の皆が待ちに待ったクリスマス寸前。民衆のボルテージは上がりに上がりまくり、靴下のセールスも絶好調。おかげでアパレル業界は景気が良いみたいだけど、私の頭はお祭り騒ぎ。何せ、世界中の家に一晩でプレゼントを配り終えるという使命を全うするには、恐ろしいほどの統率力が必要となる。世間にクリスマスというものを一年かけて浸透させ、当日は全国のお父さんに扮した世界サンタ協会の役員達に協力してもらってやっと成し遂げられる巨大事業なのだ。 中には 言うことも聞かない役員もいる そんな 役員の家庭には不幸が舞い降りるよう仕向けてやった。ざまぁみろだ。家が不幸なのは子供にプレゼントをやらないのが悪いということを役員の皆は知っていた方がいい。 さて、細かく説明していたらクリスマスが来てしまう。いや〜、1日じゃ足りないからって24日はイヴだ!!と情報操作して、プレゼントを渡すチャンスを1日増やしておいて我ながら本当に良かったと思う。なんせ、世界中だ。時間はいくらあっても足りない。さて、私は私の区域を回らなければならない。 今年は司令塔まで動かないとならない大惨事なのだ… 。同士!同士トナカイ!!」
トナカイ「はい」
サンタ「準備は出来たか」
トナカイ「えぇ、よく沸いてます」
サンタ「そうか、背中流してくれるか」
トナカイ「たやすいもんです」
サンタ「…違う!なんでのんびり風呂に入らなきゃならないんだこの忙しい時に!」
サンタ「寒い時に風呂ってのは人間らしい心の流れかと」
サンタ「トナカイらしい心の流れ作れ!!プレゼントはどうした??」
トナカイ「おいしかったです」
サンタ「食ったのか!!!???」
トナカイ「ある程度」
サンタ「どの程度だよ!!」
トナカイ「バレない程度だようるさいなぁ!!」
サンタ「逆ギレの意味がわからない!!もういい!!とにかく時間がないんだ!!行くぞ!!」
トナカイ「あいよ、背中に乗んな」
サンタ「(乗る)」
トナカイ「(3歩歩き)…俺、頑張った」
サンタ「力尽きるの早すぎだろ!!もういい!!荷物持ってこい!!走る!!」
トナカイ「よし来た!!(荷物の所に行き)…箸より重いもの持てない(可愛く)」
サンタ「もういい!!俺が持つ!!行くぞ!!」
トナカイ「よっ!旦那、かっこいー!」

 場転
 子供が寝ている

子供「Zzz」
サンタ「よーし、よく寝てる…ふっふっふ、今プレゼントをあげるからね…」
トナカイ「親方ー!!!」
サンタ「うるせー!!!子供起きちゃうだろ!!!親方の意味もわからない」
トナカイ「いや、イルミネーションが綺麗だから一緒に見たくって…」
サンタ「これから腐るほど見る!!我慢しろ!!!」
トナカイ「けち臭いこと言うなや!!(大声)」
サンタ「だからうるせー!!!(大声)」
子供「うぅん…だれかいるの?」
トナカイ「ほら起きちゃった(ドヤ顔)」
サンタ「お前のせいだろ!!…おじょうちゃん、僕たちはサンタさんだよー」
子供「おかーさーん。へんしつしゃがいるよー!!」
サンタ「誰が変質者だ!!」
トナカイ「まぁ、任せろって」
サンタ「え?」
トナカイ「ほら、これでも食べな」
サンタ「おっ、お菓子か?常套手段だな」
トナカイ「私のもも肉だ」
サンタ「こえぇよ!!!」
子供「チキンー!!」
サンタ「お前も食うなよ!!それにこれは鹿肉だ!!」
子供「えーん」
トナカイ「あんまり女を泣かすなよ(ドヤ顔)」
サンタ「顔!顔ムカつく!!」
子供「プレゼントは?」
サンタ「え?」
子供「サンタさんならプレゼントー!」
サンタ「おー、子供らしい反応、こうでなくっちゃ」
トナカイ「醍醐味ってやつですかね、親方」
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