ユメの案内人
ユメの案内人



湖月 葵(コヅキ アオイ)・・・夢が無い子 ♀
夢の案内人・・・葵の夢に出てくる人 女よりの中性
桜井 桃華(サクライ モモカ)・・・葵の友達 ♀
母・・・葵の母



 (開幕)

 夕方
 葵の部屋 漫画を読んでいる

葵 「・・・つまんない。」

 投げ出して、ゲームを取り出す。

葵 「・・・つまんない」

 投げ出して、暫くして

葵 「あー、つまんない!!!漫画読んでもゲームしても何してもつまんなーーーーい!!!何か嵌れるもの無いかなあ・・・。(人形取り出して)『やあ、葵ちゃん!僕は○○(動物のぬいぐるみ希望)くんだよ!あ、元気!?僕は元気だよ!!ねえ、今日は何するの?』・・・虚しい・・・。何やってんだろう、自分・・・。」

 桃華 登場

桃華 「何、小学生みたいな事してんのよ。」
葵 「誰!?・・・って桃華か。つーか何で人の家にいるの?」
桃華 「私が何年葵と付き合ってると思ってんの?鍵の隠してる場所くらい知ってるわよ。」
葵 「それ、ただの不法侵入だから。」
桃華 「じゃあ、葵は私の家の鍵が何処に隠してあるか判る?」
葵 「確か・・・扉の横の植木鉢の下。」
桃華 「ほら、知ってんじゃない。」
葵 「それとこれとは違うでしょ!」
桃華 「まあそれは置いといて、葵、何してたの?」
葵 「スルーですか・・・。・・・何かはまれるもの無いかなあ・・・って。」
桃華 「ああ、またそれか。いい加減真面目に将来考えたら?」
葵 「考えた結果が、これ。」
桃華 「・・・(さっきの人形を持って)『やあ、葵ちゃん!僕は○○くん・・・』」
葵 「ぎゃああああああああ!!!!やめてやめて!!桃華様ああ、私が悪かったですうう!リピートしないでえええ!!」
桃華 「はい。じゃあ真面目に考えなさいね。」
葵 「・・何で桃華に言われなきゃいけないのよ・・・。」
桃華 「『やあ、葵ちゃ・・・』」
葵 「はいはいはい!!!」
桃華 「まあ、ここまでいじれば良いか。葵なりに考えたってことで許すよ。」
葵 「最悪な許し方ですね。」
桃華 「褒めてくれてありがとう。」
葵 「この鬼畜め・・・。」
桃華 「何か言った?」
葵 「いいえ、全然。」
桃華 「あんたさー、本当に夢ってないの?もう学校を休んでから2ヶ月じゃない。そろそろ学校来れば?」
葵 「そんな事言われたってさー、今学校に行くと担任に負けた気がするんだもん。それに、別にしたい事なんて無いし。」
桃華 「負けるってあんた・・・担任に『夢なんてなーい!』って言ってからよね。懐かしい。」
葵 「ついカチンときちゃってさ。『せめて夢とかないのか!』って言ってくるんだもん。・・・まあ、答えられなかったってのもあるんだけどね。」
桃華 「でもさ、本当に夢無いの?今まで、一度も?」
葵 「そんな事言われたって昔は覚えてないよー。」
桃華 「えー?・・・せめて何かにメモってないの?」
葵 「さあ・・・、アルバムとか文集ならあるんじゃない?」
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