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windfall

「windfall」　　作：つむぎ日向

◇登場人物（全５人（男２人、女２人、どっちでも１人））
・青木杏奈
・岡田弘志
・三田村薫
・衛藤敬介
・鈴木京子

◇本編

　　　　開幕。
　　　　明転。（夜の公園）
　　　　中央下手に青木杏奈が立っている。下手端に鈴木京子が立っている。

杏奈　「はぁ〜みんなに会えるの楽しみだな〜。卒業してからだから……五年ぶりか」

　　　　楽しそうな杏奈に鈴木が声をかける。

鈴木　「これから何かあるんですか？」
杏奈　「え？ああ、すみません。つい独り言が……うるさかったですか？」
鈴木　「いえ？ずいぶん楽しそうでしたので」
杏奈　「これから高校の同窓会なんです。卒業してからすぐに東京に出ちゃったから、誰とも連絡取ってなくて。知らせが来た時は行くか迷ったんですけどね。せっかくだし。新しいロマンスも見つかるかもしれないし」
鈴木　「昔のロマンスが再熱するかもしれないし」
杏奈　「そうそう！って、小説の読み過ぎですよね？」
鈴木　「いえ、そんな」
杏奈　「それにしても遅いな〜。集合場所ここなんだけどな〜」
鈴木　「それでは私は……」

　　　　鈴木、会釈を明かりが消える。去る鈴木。

杏奈　「昔のロマンスか……薫くんどんなふうになってるかな……」

　　　　上手側に明かり。岡田弘志、三田村薫が居る。
　　　　弘志、すぐに杏奈に気が付く。だが、「青木杏奈」を「鈴木京子」と勘違いしている。

弘志　「あれ？あれ、スズキだよな？」
杏奈　「？？」
弘志　「やっぱり！やっぱりそうだ！スズキ！スズキだよな！」
杏奈　「え？わたし？」
弘志　「そうだよ！俺のこと忘れた？楠高校３年４組の岡田弘志」
杏奈　「岡田……ああ！サッカー部の！岡田くん！？」
弘志　「イエス！やっと思い出したか！」
杏奈　「うん！あ、でも……」
弘志　「変わってないって言いたいんだろ？みんなにも言われたよ〜。あ、それよりちょっと待って。今、下の名前思い出すから……えっとぉ……」
杏奈　「いやだからね」
弘志　「キョウコ！キョウコだ！スズキキョウコ！」
杏奈　「だから岡田くん？」
弘志　「いや〜俺よく思い出したわ！で、スズキなにしてんの？」
杏奈　「なにって、集合場所で待ってるんだけど。それよりさ……」
弘志　「そうだスズキ！こいつ誰だと思う？」

　　　　弘志、薫を指差す。
　　　　杏奈、ずっと名前を訂正しようとしていたが諦める。

杏奈　「え？」
弘志　「俺、絶対分からないと思うんだよね。だって俺が分からなかったし」
薫　　「……（会釈だけする）」
杏奈　「ごめん、分からないかも……」

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