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あらすじ

2013年12月 東京から名古屋に向かう新幹線には、隼女子高等学校の軽音楽部部員7名、高校三年のOGニ名、顧問の先生一名が乗っていた。
冬休みに名古屋名鉄ホールで行われる全国高校バンド選手権の決勝大会に東京都代表として出場するためだ。
新幹線八号車の車内は、平日のせいか乗客は少なく、隼高(ハヤ高)の女生徒、サラリーマン一人しか乗っていない。
これから出場する部員のテンションは高い。たわいも無い話が続く。
ここでは人物像&説明&人間関係などが台詞で出てくると良い。
新幹線が静岡に差し掛かったとき富士山が見える。来年受験を控えているOGの優子は来年が良い年であるよう祈念し、
1、2年の部員は選手権で優勝するようにと祈念する。
そのとき、新幹線がゆっくりと速度を落とし、止まった。トンネルに入ったところで新幹線が止まるのはめったにあることではないので人身事故?なにが起こったの?と不安がよぎる。部員の一人がスマホで検索すると、関西地方に震度5弱の地震が起きたという。(結果的にはこれは誤報であるのだが)間もなく車内アナウンスにより、関西地方で大きな地震があったと車内アナウンスが流れ、安全確認が取れるまで停車するという。
早速サラリーマンは、携帯で会社に連絡するが繋がらない。部員たちも焦って家族に電話をかけるもつながらない。
メールを出しても返事がない。新幹線はなかなか動かない・・・
そこでみんなはどうやってこの緊急停車の車内を無事に楽しく過ごせるかのアイデアを出しあう。
ここでのシーンは登場人物の紹介も兼ねた題材のゲームとかトークにする。笑いが起こるような楽しめるシーンにしたい。
例、*ゲーム発案(「実は私はほにゃらなんです」というトークセッション)
 *今一番食べたいものは?→ だんだんお腹がすいてくる など

そうこうしているうちに停電のため新幹線の送電が途絶える。車内は非常灯のみで暗くなる。
暖房が効かなくなる。洗面所の水は出なくなる。トイレは使えない(水が流れないので排泄物が溜まっていく)雰囲気は重くなっていく。
すると、OGの典子の様子がおかしい。部員は心配する。実は典子は家族は福島で、当時中学3年だった時に被災し、危険区域だったため、進学先を福島市内ではなく祖母のいる東京住まいを移し、家族とは離れ離れに住んでいるのだった。震災によってトラウマになっていた典子はストレス障害を起こしてしまう。
みんなの強力と励ましによって、典子はだんだん元気になり取り戻してくる。  
するとOGの典子は、自分の被災したときのことを話し出す。
猛勉強の末、憧れのS高に受かることが出来、自分の進路が決まった。
だが、卒業式を目前にして被災し、S高への進学をあきらめ、祖母の家に厄介になりながら東京の高校に入学した。自分の夢はくずれ、どうしても前向きになれずにいたとき、けいおん部に入部して、初めて文化祭でライブをしたときに、自分のやりたいことをやってみんなに受け入れてもらい喜んでもらえたことが嬉しくて感動して、こうしてここまでこれた。受け入れてもらえてみんなに感謝している。ただ、震災によって進学を躊躇したことが自分の中で弱気になってしまい、進学をあきらめ就職することにしてしまった。自分からみればみんなはまだまだやりたいことを実現できる余裕がある。自分の本当に進みたい道はどこなのか素直になって前を向いて欲しい、こんなことで負けて欲しくないと部員に訴えた。
せっかく決勝大会に出場できたのに、大会も中止になるかもしれない。いままでやってきたことが無駄になる。だんだん女子部員一人ひとりが意気消沈し、将来の不安さえ覚えていく。
すると顧問の佐藤先生が重い口を開いた。
「みんなとちょうど同じ歳だった。私は高校三年生。その年の受験生だった。当時私は大阪に住んでいたんだけど、親が勧める地元の大学ではなく、東京の大学に行きたかった。でもすごく反対されて、なんだか進みたい道を絶たれたような、やりたいことも出来なくなったような気がして、もうどうでもいいや、一浪することも親孝行だなんて自暴自棄になって思ってた。そんな時、阪神淡路大震災があったの。そのときのことは今でも昨日のことのように覚えてる。典子さんの気持ちはわかるのよ。」
佐藤先生が震災にあったのは受験日の数日前だった。家は半壊。家族は全員なんとか無事で助かったが、ライフラインは途絶え、火事も発生してきたことから、避難所に家族で避難することにし、移動した。
その途中、先生は被災した妊婦さんを見かけて助けたという。彼女は不遇にも家族と離れ離れになりおまけに負傷して動けないにもかかわらず、生まれ来る子どもを守ろうと必死だった。感動した佐藤先生は、はぐれてしまった旦那さんと会えるようにその妊婦さんを誘導してあげたという。佐藤先生は「明日はどうなるかわからない。いつ死んでもいいように自分のやりたいことを見つけて精一杯生きることが大事なんだ」とその時に知ったという。そしてその助けた妊婦さんにはもし会えるならいつかお礼を言いたいと思っていると言った。
そのとき、OGの美奈子が突然泣き出した。
「佐藤先生だったんですね?私の母を助けてくれたのは…」
優子の母は実家で出産するため大阪に来ていたとき被災した。優子が物心ついたときから、母をそして生まれてくる兄を助けてくれた女子高校生の話を聞いていたのだった。
「私、今日皆についてきて良かった。ここで新幹線が止まっったのは不幸かもしれないけど、でも良かった。だって一番会いたかった人がここにいたから」
ボーカルのマナミが、決勝大会のライブをしよう!思い立ったように言った。部員皆で歌いだす。楽器類はエア(エアギター・エアベース・箸で叩くドラム マフラーで弾くキーボード)
そのときだった、車内にアナウンス。
「現在、新幹線設備の点検を行っております。安全の確認が取れ次第送電開始となり、運転を再開する予定となっております。それまでもう少々お待ちください」
そして車内が明るくなった。車内で拍手が起こる。喜び合う女子部員。
そのとき、OGの典子の携帯がなった。福島の母からだった。無事を告げる典子。そして優子の携帯も鳴った。
「あ、お母さん。はい、私は無事です。すごいニュースがあるんだよ。帰ったら話すね。」次から次へとそれぞれの携帯電話が鳴り家族と連絡を取り合う。
佐藤先生とOG典子の会話
「先生、私今からじゃ遅いかもしれないけど、就職は先延ばしにして大学受験に挑戦してみる」
「遅くはないわ。生きているからこそ、前に走れるのよ」

                           幕

登場人物
久保優子…高校3年、けいおんOG。優子の兄が母のお腹の中にいるとき、母は阪神淡路大震災にあう。母はそのとき当時高校3年だった女子高生に助けてもらっている。その話を小さいときから聞いていて、その人に一度会ってみたいとずっと思っていた。今回は受験を控えていたが、マネージャがわりに決勝大会進出の軽音部についてきた。

梅原典子…高校3年、けいおんOG。福島県出身。3年前の東日本大震災で被災し、家族は福島にいるが、将来のことを考え、典子だけ祖母の家に住み、隼高校に通っている。進学は考えず、就職しようと思っている。

佐藤洋子…隼高校の英語の先生で軽音部の顧問をしている。決勝大会に出場の部のため引率している。大阪の高校に在学中、震災に遭う。そのときに居合わせた妊婦の女性を助けている。

佐竹智子…高校3年・ベース この決勝大会で優勝して、音楽事務所に入ってプロになろうとしている。

高橋マナミ…高校二年・ボーカル 明るい性格。バンドやってた父の影響で八〇年代ロック、プリンセスプリンセス、爆風スランプが好き。

門田クルミ…高校2年・ドラム 一応軽音部の部長。まとめ役。冷静で物静か。中学校の吹奏楽でドラムを担当しているせいかドラムは上手。

牧村ヒロミ…高校2年。・ギター。父の影響でハードロック系のギターが上手。洋楽が大好き。最近「さだまさし」が好きな彼氏と趣味の違いで別れた。佐藤先生とタメ口

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