黒電話の記憶
登場人物

真島誠司 マジマセイジ  (男)[館長]:タイムミュージアムの若き館長。
秋峰良太 アキミネリョウタ(男)[男1]:コンビの片割れ。頭が空っぽの方。
浅岡理  アサオカオサム (男)[男2]:コンビの片割れ。頭の良いほう。

 ※真島誠司は女でも可能。

本編
Scene1

ここは体験型博物館、タイムミュージアム。
暗闇の中、スポットに照らされる館長が一人。

館 長「ようこそ、体験型博物館、タイムミュージアムへ。わたくし、館長の真島誠司と申します。ここ、タイムミュージアムには、人間の歴史を彩る、過去から未来までの様々な物品が展示してあります。旧石器時代の打製石器から、最新鋭のロボットまで。お客様自身で、触って、体験することができます。さぁ、今日は皆様を、時間の旅へ誘いましょう」

タイムミュージアムの一室。昭和の部屋。黒電話が展示された場所で、二人の男がパンフレットを手歩いていた。

秋 峰「えーっと、次は……。おっ、テレビか。……あれ、でもなんか思ったより新しい感じだな」
浅 岡「そりゃ、昭和は長いからな。最初のテレビってーと、昭和初期じゃなかったかな」
秋 峰「そうなの?」
浅 岡「そうなのって、パンフレットに書いてあるだろ」

そう言うと浅岡はパンフレットを開いて、椅子に座った。

秋 峰「ブラウン管テレビではあるんだろうけどさ。なんか古臭い感じしないな」
浅 岡「古いものが全部古臭い感じするってわけでもないだろ。特に展示品なんだから、奇麗にしてるだろうし」
秋 峰「まぁそうだけどさ……」

浅岡はパンフレットからテレビの情報を探しだした。

浅 岡「あー、あったあった。なになに……。戦後にモノクロのブラウン管テレビが普及し始めて、昭和中期にはカラーテレビが登場。昭和の終わりには、テレビデオもあったんだってさ」
秋 峰「テレビデオ?」
浅 岡「そのテレビが、そうみたいだな。テレビとビデオの一体型だってさ」
秋 峰「へぇ。ビデオか。そういや子供の頃にあったっけな」
浅 岡「今は見ないね。最近はもうDVDとかブルーレイとかの時代だからな」

秋峰はテレビを触って、スイッチを入れた。

秋 峰「あれ、点かないな」
浅 岡「コンセントが繋がってないんだろ」
秋 峰「でもよ、向こうのテレビは点いたぜ」
浅 岡「あれは最初期のテレビだからな。目玉の一品ってところだろ」
秋 峰「ちぇー、つまんないの」
浅 岡「……ん?」

浅岡は黒電話に気づく。

浅 岡「あれ?」
秋 峰「どうした?」
浅 岡「いや、あれ」
秋 峰「お、なんか昔っぽいなー。これ確か電話だよな」
浅 岡「あぁ、ダイヤル式の、黒電話って呼ばれる種類のやつだ」
秋 峰「んー、でもさ、さっきも似たやつなかったっけ?」
浅 岡「似てる、というか同じやつだな。さっきも黒電話だって教えたぞ」
秋 峰「え? そうだっけ?」
浅 岡「鳥頭かお前は」
秋 峰「でもよー、なんで同じやつが違う場所に二つもあるんだろ。パンフレットになんか書いてない?」
浅 岡「あぁ、それがさ」

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