離さないから
離さないから

【登場人物】
秋月 美織(あきづきみおり)/マリー……女性

杉野 陽斗(すぎのはると)/フリート……男性

国の王……マリーの父親

(声またはエキストラ要員)
兵士
町人

【あらすじ】
幼なじみの美織と陽斗。あるデートの帰り道、思い出話に花を咲かす二人。「俺たちは、前世でも会ってるだろうね」そんな陽斗の言葉に引っ掛かる美織。美織には前世の記憶があった。その前世の記憶とは。今の二人に何か関係あるのか。

【その他】
・:は場面転換
・小説的な表現が多いため照明が大変なことになってます(サスが多いです)


【本編】
幕が開く

:現在/美織と陽斗はデートの帰り
公園

美「早く〜!こっちこっち!」
陽「美織相変わらず早いな」
美「陽斗はマイペースすぎるよ。もう少しで日が暮れちゃう」
陽「ごめんごめん、にしてもここの公園懐かしいね」
美「でしょ!なんて言っても私たちが再会した場所だもんね」
陽「うん、最初は美織だって気づかなかったよ。随分と垢抜けていて性格も変わってて…あの頃の美織はどこへやら」
美「ちょっと!何その言い方!確かに可愛くはなったし、昔より明るくなったけど」
陽「そういうの自分で言うタイプなんだね」
美「言っちゃうタイプですけど何かー?そういうと陽斗は昔からクールだよね。今も変わってない気がする」
陽「え?そうかな。昔はやんちゃだったと思うけど」
美「あれ?そうだっけ」
陽「まあ、昔って言っても幼稚園生の頃だから覚えてないか。美織の記憶力じゃ」
美「はぁ?これでも私百人一首得意ですけど?」
陽「どんなマウントだよ」
美「もう私をいじる癖は昔から変わらないか。付き合ったら、もう少しくらい変わっても良くない?」
陽「美織はからかいがいがあるからね。リアクションも正直で精神年齢5歳みたい」
美「それは幼稚すぎでしょ!」
陽「あはは、冗談だよ。でもさ、小学校入学を機に離れたのにまた再会できたのも何かの縁だよね!」
美「何、急に?」
陽「だってさ、小学校離れたら再会できる確率なんて低いと思わない?」
美「まあ、遠く離れたらだけど……言うても私たち地区は同じだったじゃん」
陽「同じって言っても、小学校間の距離は結構あったよ。中学も違かったし」
美「あー確かに」
陽「実際、高校も違うじゃん」
美「それは学力の違いでしょ。陽斗頭良いもん」
陽「でも、こうしてまた会えて良かった」
美「……何それ?9年近く会ってなかったのに私のこと忘れてなかったの?」
陽「俺は忘れてなかったよ。なんか幼稚園の時から大切な存在だったから」
美「えっ何!?急にそういうの困る!」
陽「なーんてね、美織こういうの好きだろ?」
美「また、からかって…」
陽「でも、俺たちは運命だって思ってる。再会できて、付き合って、今日もデートしてめちゃくちゃ楽しかった」
美「それは私も楽しかった」
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