常識屋
.常識屋 第1稿
常識屋

              第一稿
              
              2021年5月6日
              作 山上祐輝
              

.しーん1 告白
しーん1 告白


アキラ、ミチル、2人で公園のベンチに座っている。

アキラ「今日はいい天気だね、ミチル。」
ミチル「まあ、悪くはないかもね。で、アキラ、今日は何の用?」
アキラ「いやー、休日にこんないい天気になると、ほんと、お出かけ日和っていうか、いいよね?」
ミチル「アキラ。突然呼び出して、どういう用?」
アキラ「ええっと、ほら、こんな日は、常識的に考えて、お出かけするべきだろ、なんちゃって。」
ミチル「それで、私をこの公園に呼んだ訳?」
アキラ「まあ、ほら、私たち友達じゃん?友達なら、ねえ、こうやって遊ぶのは、当たり前っていうか、常識っていうか。」
ミチル「そうかなあ。」
アキラ「そうだよ。別におかしなことなんてないよ。」
ミチル「アキラ、何か私に隠してる?」
アキラ「え、ううん。ミチルに隠しごととか、そんなわけないじゃん。常識的に考えて、何か隠すようなことある?」
ミチル「さあ、わかんないけど。てか、さっきからやたら常識的にっていうけど、なんか流行ってんの?」
アキラ「え、いや、別に。そういう訳では。ほら、なんか最近のマイブームっていうの?そういうやつ。」
ミチル「ふーん。常識、ねえ。」
アキラ「でさ、思う訳ですよ。こう、常識的に考えて、こんないい天気だし、色々と普段しないようなお話も、しちゃったりなんかして。」
ミチル「だから、なんの話?」
アキラ「あー、とほら、コイバナとか?」
ミチル「コイバナ・・・。」
アキラ「友達同士の会話ならさ、当たり前にすることじゃん。」
ミチル「そうかな。」
アキラ「そうだよ。で、さ。ミチルはさ、今さ、好きな人とかさ、いないの?」
ミチル「え、何いきなり?」
アキラ「え、そんな変な質問?」
ミチル「いきなりそんなの聞く?友達同士でこんな真昼間に。」
アキラ「おかしくないって。」
ミチル「うーん。」
アキラ「で、どうなの?」
ミチル「秘密。」
アキラ「え、ええ。友達同士で、隠し事はなしでしょ!」
ミチル「だって、別に教える義理もないし。」
アキラ「友達同士なんだから、こんな話するのって常識だよ。」
ミチル「さっきから常識常識って、もう、アキラそんなめんどくさかったっけ?」
アキラ「ごめん。」
ミチル「いや、いいけど。私、あんまり常識あるタイプじゃないと思うし、あんまり言われると。」
アキラ「あー、うーん、でも。」
ミチル「でも、何?」
アキラ「言っちゃうべきか。」
ミチル「だから、何を?」
アキラ「秘密ってことは、ワンチャン可能性も。」
ミチル「なんの話ってば。」
アキラ「・・・あのさ、ミチル。」
ミチル「うん。なに、改まって。」
アキラ「ミチルってさ、同性同士の付き合いって、どう思う?」
ミチル「付き合いって?恋愛?」
アキラ「そう。恋愛。」
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