人間でいたかった


「人間でいたかった」
    作:修練


【登場人物】

善良なる民 

放浪者     

貴族     

乞食     


【舞台】
戦争が絶えない世界のとある島国。
劇中のほとんどは、放浪者がアジトにしている場所で進む。

上舞台、下舞台の二段構造を基本とし、そのほかの舞台装置に制約はない。



    サイレンが鳴り響く。朝礼が始まるようだ。
    4人の軍人が、並んで立っている。

軍人   休め!
全員   …
軍人   ただいまより、帝国憲法、前文より、生存の義務を読み上げる!
軍人   われらは、すべての国民が等しく生存する義務があることを確認する。
軍人   続き、生存の誓いを読み上げる!
軍人   我々は、我が国の繁栄と真の独立を守る国民の責務を理解し、帝国憲法および法令を遵守し、与えられた命を決して無駄にすることはなく、強い責任感をもって日々の生存にあたります!なお、自らその命を捨てる行為は、すべての国民、および陛下へのこの上ない侮辱ととらえ、理解し、この身尽きるまで、生き抜くことを誓います!
軍人   気をつけ!
軍人   国旗に全体、半ば左向け左!

    軍人たち、正面を見る。(元から正面を向いていた場合は横を見る。)

軍人   敬礼!

    敬礼をする。

軍人   (正面、もしくは背面を向いた場合)半ば右向け右!

    上手(もしくは下手)の方に向く

軍人   全体、進め!

行進してはけていく。行進の最後尾に善良なる民。真ん中まで行き止まる。

善良   …

    善良なる民、正面を向く

善良   日直、誓いを読みます。
善良   生きていることは素晴らしいことです。生きていることは幸せなことです。生きているだけで幸せです。
善良   生きてるだけで幸せです。
全員   生きてるだけで幸せです!(袖、卓にいる全員で)
善良   生きてるだけで幸せです。
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