セイギのミカタ
【セイギのミカタ】上原 炎 作


STAFF
 演  出  ○○○ ○○○
 舞台監督  ○○○ ○○○
 音  響  ○○○ ○○○
 照  明  ○○○ ○○○
 装  置  ○○○ ○○○
 道  具  ○○○ ○○○
 衣  装  ○○○ ○○○

CAST
 ヒマリ(亀山 陽鞠)   ○○○ ○○○
 アオイ(神戸 葵唯)   ○○○ ○○○
 ミナト(甲斐 心奏)   ○○○ ○○○
 ツムギ(冠城 紬希)   ○○○ ○○○



晩夏か初秋かのある日の放課後。時間にして17時30分くらいだろうか。無機質にパソコンが並ぶ暗い部屋。パソコンは一台もついていない。部屋の外側奥には廊下が見え、廊下の明かりはついている。部屋には大きく二列の机が並んでおり、机の上に背面合わせでパソコンが二台セットで並んでいる。いきなり部屋の後方奥のドアが開き、一人の制服姿の人間が息を切らしながら慌てて飛び込んでくる。
制服姿の人間、荒々しくドアを閉めると、何かから逃げるようにドアから一番遠い位置に身を潜め、はぁはぁと息を整えながら廊下をしきりに気にしている。すると、何かしらの通知があったのか、板状の機械のようなものを取り出し、耳に当て会話を始める。

ヒマリ   『…こちらクレア。まだしぶとく生きてるさ!?ただ、今の状況は非常にマズい…。まさか、奴がここまでしぶといとは…。完全に予想外だった…。…で、お願いしていた応援の見込みは…?…だろうな?ある意味、期待通りだ。まぁ、いいさ?いつも通りやれるだけやってみるさ…。生きて帰れたら、今度こそ約束を果たしてもらうからな…?…ったく、ジルは、いつもそうやって話をはぐらかす。少しは希望というか目標というか、持たせてくれよ?…まずは、何か武器になりそうなものを探すとこからか…。…ん?持ってきた武器はどうしたって?私がここに送り込まれてどれだけ経ったと思っているんだ?持ってきた武器も手持ちの弾も全部使い切った…。使えないものほど、持っていても足手まといになるだけだからな?直接ぶつけてやったよ!まったく効果はなかったけどな?果たして、どこまで逃げ切れるのやら…?…ん、ちょっと待ってくれ!』

と、廊下を手前から奥に向かって、何かを呻きながら、荒々しく通り過ぎる一つの影があった。
荒々しい影、何かに気付いたのか勢いよく部屋のドアを開ける。
ヒマリ、その音にびっくりしたのか呼吸を止める。

ヒマリ   …!

荒々しい影、部屋の中を一通り見渡し大きく叫ぶと、そのまま部屋を出て廊下奥へと立ち去った。
ヒマリ、その様子を確認し話を続ける。

ヒマリ   『すまない…。…今の音か?奴がいきなりドアを開けやがった…。こればっかりは何回経験してもさすがに慣れないな…。今度という今度は、さすがに命の危機を感じたよ。…ん?とか言いながら、いつも帰還してるでしょ?って?毎回、命からがらのこっちの身にもなってもらいたいものだ?』

次は、荒々しい影が去った廊下奥側から、別の二つの人影が現れる。
うち一人の影がドアの前で、もう一人の影に何かを言っている。
何かを言われた影、廊下で大人しく待っているようだ。
何かを言った影、部屋に入ると、忍者のように足音を立てず、ヒマリの背後までスムーズに移動する。
ヒマリ、それに気づくことなく会話を続けている。
何かを言われた影、何かを言った影の動きを確認するように恐る恐る部屋の中を覗き込んでいる。

ヒマリ   『いやいや、そんなことはない。いつものジルのサポートのおかげで、毎回の作戦はうまくいっているようなものだ。本当に感謝している。…しかし、奴がここらへんをうろついているということは、この場所ももう潮時ということだな…。約束のためにも、ちゃんと最後まで生き延びないとな?…では、行動を開始する。』
アオイ   行動を開始して、何をするわけ?

ヒマリ、突然の背後から声にパッと振り返る。
ヒマリと一つの影、目が合う。

アオイ   …。
ヒマリ   …。

沈黙。

ヒマリ   『…いやぁ、ジル!どうしてこんなところにいるんだ!?君は作戦本部で、私のサポートをしてくれるはずじゃなかったのか!?』
アオイ   …このパソコン教室で、今日は何ごっこしてるの?
ヒマリ   『もしかして、ジルが応援なのか!?だとしたら、非常に心強い!』
アオイ   今日は何ごっこしてるの!?
ヒマリ   ホラーアクションでお馴染みな「トリオハザード」を意識してみました!
アオイ   んで、何から逃げてるの?
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