君は、ここにいた。
君は、ここにいた。 作・望月 秋良
《登場人物》
・ 小川 美利（オガワ ミリ・当時２０歳）
……才色兼備なお嬢様タイプで、我が道を行く女。少々不器用。
・ 佐藤 和弥（サトウ カズヤ・２１歳）
……美利にベタぼれの男。わりと厳しいが、面白いことが好き。
・ 坂下 真琴（サカシタ マコト・２１歳）
……美利、和弥の幼馴染みの女。美利と水都の保護者的存在。
走り出したらもう止められない！暴走癖を持つ。
・ 小川 水都（オガワ ミナト・２１歳）
……美利の双子の妹。天然タイプの、我が道を行く女。まじめ。
《備考》
美利と水都は双子の姉妹。
筆者は、二人で一役というイメージで書いている。
《プロローグ》
強い雨音。崖崩れの大きな音。
しばしの間の後、幻想的なオルゴール調っぽい曲が入り、雨音は弱まる。
薄暗い空間に、美利が立ち尽くしている。
美 利 みんな、どこ…？
歩こうとするが、思うように歩けない。
美 利 …水都？真琴？…和弥！どこなの？水都！なんでいないの？どこへ行ってしまったの？真琴！どうして…？どうしてこんなに静かなの？ねぇっ？返事をして！…和弥ぁっ！
ゆっくりと明かりが消えていく。
再び、次第に大きくなる雨音。
美 利 私はここよ。…ここにいるわ！置いて行かないで！
扉にたどり着くが、開かない。
美 利 和弥っ！真琴っ？…水都ーっ！
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