真・自殺願望
「自殺願望」

登場人物

少女:自殺したい女子高生
男 :強盗した暇人
刑事:これでも刑事


場面1 事件後の屋上
 ―刑事が日記を読んでいる
 
刑事「10月17日くもり、上履きがなくなった。机の上に悪口を書かれた。油性ペンでかかれていて
 消えない…先生に殴られた跡が痛い。理由がいまだによくわからない」

 ―ページをめくる刑事

刑事「10月18日くもり、ちょっと雨。おりたたみ傘をもってきてたのに、ひらいてみたら穴だらけに
 されていた。上履きがみつからない。傘の事お母さんに怒られて、殴られた。痛い」

 ―ページをめくる刑事

刑事「10月19日雨。傘、ない。お母さん、もってっちゃだめって。だからぬれて学校に行った。帰りも
 ぬれて帰った。死にたいなあ、でも、こわいなあ」

 ―日記を閉じる刑事、フェンスの下を見る。

刑事「…高いよなあ…」

 ―携帯電話がなる、刑事がでる

刑事「もしもし…あ、はい、分かりました」

 ―携帯をしまい、はけていこうとする
 ―途中で舞台中央にサスが残り、刑事もそこで止まる
 ―少女が入ってきて刑事のところへ
 ―刑事はその少女に日記をわたす
 ―少女は無表情でうけとる
 ―刑事はそのままはけ、照明がもどり、場面は事件当日になる

場面2 始まりの屋上
 ―少女がフェンスから外を見ている
 ―しばらくそうしていた後、靴を脱いでフェンスを越える
 ―目を閉じ、深呼吸をして今まさに飛ぼうと…!
 ―という所に男が鞄をもって転がり込んでくる

男 「はあはあはあはあ……ひいはあ…」

 ―少女はフェンス越しに男を見ている

男 「はあ…はあ……は?先客か?」
少女「……文句ある?」
男 「いやないけど…え?なにしてんの?」
少女「飛び降りようかと」
男 「…あ、そうなの。いやすまんね、俺の事は気にせずぽーんと行ってくれ」
少女「止めても無駄よ」
男 「止めてないだろ。ささ、おかまいなく」
少女「止めないで!私はここから飛ぶんだから!」
男 「だからさっさと飛べっての!」
少女「…なんで止めないのよ!人間としてそんなことでいいわけ!?」
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